2026年10月18日
子どもの病気やケガは、いつも突然やってきます。
それは、子どもは大人のミニチュアではないから。
子どもの体や病気を知って、安心して子育てを楽しもう。
秋はインフルエンザワクチンの季節。毎年10月から接種が始まります。そろそろ小児科で子どものワクチン予約を取ろうかな、と考えている保護者も多いでしょう。
さて、2024年からは、子どものインフルエンザワクチンとして、「経鼻弱毒生インフルエンザワクチン(商品名は「フルミスト」、以下フルミスト)」も使えるようになったことを知っていますか?
このフルミストは、注射ではなく、左右の鼻に1回ずつシュッとスプレーするタイプの生ワクチン。私のクリニックでも2024年から接種していますが、鼻がツンとすることもなく、がんばって吸い込む必要もなく、とても好評です。
フルミストの日本における接種対象年齢は2歳から18歳まで。ですので、1歳までの赤ちゃんは、生後6カ月から接種可能な従来のインフルエンザワクチン(一般名は「インフルエンザHAワクチン」、以下インフルエンザHAワクチン)を接種することになります。
では、2歳以上の子どもは、従来のインフルエンザHAワクチンとフルミスト、どちらを選ぶのがいいのでしょうか?
フルミストの長所は、何といっても「スプレーなので痛くない」「1回で済む」ところでしょう。
インフルエンザHAワクチンは、日本では「13歳未満は2回接種、13歳以上は1回接種」となっています。ただし、WHO(世界保健機関)とCDC(アメリカ疾病予防管理センター)は、「9歳以上は毎シーズン1回接種」が推奨されています。フルミストは、接種は1回です。予約を取って、医療機関へ連れていく保護者としては助かりますね。
費用はどうでしょうか。医療機関によって異なりますが、インフルエンザHAワクチンは4千円くらい、フルミストはだいたい8千円~9千円のようです。インフルエンザHAワクチンは2回接種、フルミストが1回接種と考えると、ほぼ同額と言えそうです。
どちらも他のワクチンと接種間隔を開ける必要はなく、同時接種もできます。それぞれの特徴を理解して選ぶといいでしょう。
そもそも「インフルエンザにはかからないから大丈夫」「かかっても大したことはない」と思っている人もいるかもしれません。
しかし、インフルエンザは、保育園や幼稚園、学校で流行することも多い感染症です。もしかかると、肺炎や脳症などの合併症を起こして重症化するリスクもあります。特にインフルエンザ脳症は10歳以下に多く、命を落とす確率は約30%、後遺症を残す確率も約25%と大変怖い病気です。2025年の「人口動態統計月報年計」(※)によると、1~4歳の死因4位、5~9歳の死因3位が「インフルエンザ」でした。インフルエンザの恐ろしさがわかりますね。
ワクチンを接種しても、インフルエンザにかかってしまうことはありますが、ワクチンには重症化を防ぐ効果もあります。できれば家族で、もしそれが難しいなら子どもだけでも、ワクチンを接種しておいた方がいいでしょう。

小児科専門医。一般小児科、NICU(新生児集中治療室)などを経て、どうかん山こどもクリニックを開業。
著書は「小児科医ママが今伝えたいこと!子育てはだいたいで大丈夫」等多数
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