「男の子だから」「女の子だから」と縛りつけない、性別にとらわれない子育て【子どもと向き合う】

2021年9月5日

【2019年2月号掲載】

子どもが「自分が選んだ」と心から思える
人生ならハッピーに生きていける


男の子も女の子も、のびのびと育ってほしい――。
そう思いながらも、子どもを「男の子/女の子だから」と、知らず知らずに縛りつけていることはありませんか?

性別にとらわれない子育てについて、ジャーナリストの治部れんげさんにお話を伺います。
 
もくじ

1.子どもへの対応に男女差を感じ、
  違和感を覚えることはありますか?

2.そのような押しつけは、
  子どもにどう影響するでしょうか?

3.男の子も女の子も、伸び伸びと育てる
  コツを教えてください

4.読者にメッセージをお願いします
5.教えてくれたのは

子どもへの対応に男女差を感じ、違和感を覚えることは ありますか?

時代とともに男女平等への意識が高まり、今は幼稚園・保育園、小学校でも性別による不平等感は薄らいできていますが、それでもまだ「ちょっとおかしいのでは?」と思う部分は残っています。

たとえば先日、小学4年生の息子が「男の子が女の子を泣かせると、みんなから責められる。先にちょっかいを出してきたのは女の子の方なのに、男が悪者扱いされるのは不公平だよ」と言うのに、私も「なるほどな」と思いました。

女の子が男の子をからかっていじめることもあるのに、「男の子はやんちゃ/女の子は弱いもの」という偏見で判断されたら、子どもは不満に思いますよね。

みなさんも「男の子は女の子を叩いたり、泣かせたりしちゃダメだよ」「やさしい女の子は人に好かれるよ」などと子どもに言うことはありませんか?

もしかしたら、親も無意識に「男だから/女だから」と、子どもに押しつけていることがあるかもしれません。

そのような押しつけは、子どもにどう影響するでしょうか?

「男だから/女だから」と決めつけられたら、子どもの可能性は狭められてしまいます。親も、「父親は仕事を最優先すべき」「母親が家事育児をすべき」などと押しつけられたら窮屈に思うように、子どもも本人の意思に反することを押しつけられたら、生きづらさを感じるでしょう。

大事なのは、「〇〇だから」にとらわれないで、その子が持つ能力を発揮できること。自分が心からやりたいと思うことを、自分自身で選んでいけることです。

どんな人生でも「自分が選んだ」と思えたら、現状に満足してハッピーに生きやすいし、逆境でもポジティブに対処していけます。そういう人はまわりからも応援されて、ますます力を発揮していくことができると思いますよ。

男の子も女の子も、伸び伸びと育てるコツを教えてください

「男だから/女だからできない、しなくていい」などと、親が決めつけないようにしましょう。お手伝いも、男女の分け隔てなく教えるといいと思います。

個人差はあっても、たいていのことは性別にかかわりなくできるし、そもそも家事は、生きるために必要な生活スキル。男女問わず、できた方がいいと思いますよ。

もう一つおすすめは、世の中のおかしいことについて、親子で話してみること。わが家では「電車の中にお酒の広告が多すぎ。子どもも見るのにおかしい(息子)」「名簿はいつも男子が先で、女子が後。不平等だよ(娘)」といった具合に、日常生活で変だと思うことに、親子で面白おかしくツッコミを入れています。

世の中で当たり前とされていることが、正しいとは限りません。普段から「これは変じゃない?」「こうした方がいいと思う」と気軽に意見を言い合うことで、子どもたちが世の中の現状に流されてしまうのではなく、おかしいことには「おかしい」と、声をあげられるようになってほしいなと思っています。

お互いに意見を交換し合う習慣があれば、我慢し続けて感情が爆発することもありません。建設的なコミュニケーションの練習にもなるので、ぜひ遊び感覚で取り入れてみてください。「子どもだからわからない」と思っていたことも、「こんなにしっかり考えていたの?!」と驚きますよ(笑)。

読者にメッセージをお願いします

私は、子どもから「ママ、大好き!」と愛情表現されると、どんなにへこんでいても他のことはどうでもよくなって、「あー生きていて良かった!」と心から思えるんです。毎日のように、子どもから無条件の愛情と感動を与えられて、親は幸せだなぁって。

子育ては、手間はかかるけれど、素晴らしいこと。どんな親でも自信と誇りを持って、お互い子育てを楽しんでいきましょう。

教えてくれたのは

治部 れんげさん
 

ジェンダー平等について発信するジャーナリスト。元経済誌記者で、2006~07年ミシガン大学フルブライト客員研究員として渡米し、アメリカの共働き家庭を調査。現在は女性のエンパワーメントをテーマに執筆、講演等を行う。昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。小学4年生と小学1年生の兄妹の母。

「炎上しない企業情報発信」
日本経済新聞出版社 著:治部れんげ 

CMやSNSで「女性像」の見せ方を誤ると、炎上しかねない時代。時代錯誤な“女性像”で地雷を踏まないための最新ビジネスコミュニケーション作法を、ディズニープリンセス映画や日本のCMを例に解説しています。今、女性の役割はどう変化しているの?理解しておきたいママ・パパにもおすすめ!

このページをシェアする

週間人気記事ランキング

もっと見る