水難事故の救助に向かった夫を亡くし、シングルで2児の子育てをしながら、子どもの事故予防の研究・啓発と講演会やニュース解説により情報を発信する岡真裕美さんによるコラム。
【2026年9-10月号掲載】
「つるん・ころん」が危ない!ブドウは4等分して誤嚥を防ごう
ブドウがおいしい季節になりました。知り合いの果物屋さんが、ブドウに限らず日本のフルーツは世界一おいしいと誇らしげに語っていました(笑)。
そんなブドウですが、品種改良が進み、年々大粒化し、より甘くなり、皮ごと食べられるものも増えていること、ご存知でしたか?
そこで気を付けないといけないのは、パパやママ、おじいちゃんおばあちゃんが昔の感覚でお子さまに丸のままブドウを食べさせてしまうこと。「つるん・ころん」とした物は噛まずに飲み込みやすく、誤嚥(食べ物や飲み物が気管に入ってしまうこと)や窒息が生じることがあります。
実際にブドウの誤嚥で子どもが亡くなった事例がありますし、私は、大粒化することで誤嚥が起きやすくなっていると思っています。
窒息は5歳以下の子どもに多いのですが「大人が近くで見ているから大丈夫」「よく噛むように教えているから大丈夫」と考える人もいます。
でも、6歳頃までは大人のように噛めないので、子どもなりによく噛んでも食材が大きいままかもしれません。そして、何歳でも、大人が近くで見ていても気管に入る食べ物を止めることはできません。
ブドウの他にも、豆・ナッツ類、白玉、ミニトマト、球形チーズなども誤嚥の可能性があります。実は、某ファストフード店の子ども向けセット、商品説明に「えだまめコーンは、誤って気管に入る可能性があります。3歳頃まではお控えください。また、4歳以上のお子様も喉に詰まらせないよう気を付けてお召し上がりください。」と記載されています。
ブドウやミニトマトは4つにカットすることが推奨されています。
うちは大丈夫、と思わずに、つるん・ころんとしたものは念のため食べやすくカットして安全においしく召し上がってください。
お話を伺ったのは…
岡 真裕美さん
大阪大学大学院人間科学研究科特任研究員。2012年、ジョギング中に子どもの水難に遭遇し救助に入った夫が、その際に死亡。事故現場における安全対策を行政に訴えるも、大きな改善につながらず無力さを思い知らされ、シングルで2児の子育てをしながら、大阪大学大学院人間科学研究科に進学。子どもの事故予防の研究・啓発と情報発信を精力的に展開。子育て経験を活かした講演や子どもの事故に関するニュース解説も行う。
子どもを全力で守る本
『子どもを全力で守る本』中井宏・岡真裕美 編著、いそっぷ社。