感染症にかかりたくない 【コドモカルテ/小児科専門医 森戸やすみさん】

2026年2月2日

子どもの病気やケガは、いつも突然やってきます。
それは、子どもは大人のミニチュアではないから。
子どもの体や病気を知って、安心して子育てを楽しもう。

「こんな時どうする?」
小児科医が教える病気のケア

【2026年1-2月号掲載】

感染症にかかりたくない

免疫力を高めたり感染を予防できる食品やサプリはない

2025年12月現在インフルエンザが猛威を振るっています。
また、感染性胃腸炎や溶連菌感染症も増えており、過去5年間の同じ時期に比べて多い感染者数となっています。

では、子どもも大人も、感染症にかからずに済む方法はないのでしょうか。普段でもつらい症状に苦しみたくはないのはもちろんですし、卒園式や発表会など行事を控えていればなおさらですね。

インターネットやテレビでは、「◯◯で風邪予防」「免疫力アップに◯◯」などの情報が紹介されています。

しかし、中には根拠のない情報もたくさんあります。たとえば、SNSで検索してみると、りんごや紅茶、生姜やニンニク、ハーブといった食品や、亜鉛やビタミンDなどのサプリメントが対策になる、という情報が出てきます。

しかし、このようなもので免疫力を高めたり、感染症を予防したりはできません。効果が不確かなものに頼るのはやめましょう。

代わりに参考になるのが、厚生労働省がまとめている「感染症対策の基礎知識」。ウェブ上で読むことができます。

このまとめで感染対策の基本とされているのは、①病原体(感染源)の排除、②感染経路の遮断、③宿主(自分)の抵抗力の向上、の3つです。

なぜ小児科医は患者から感染症をもらわずに済むか

とはいえ、家庭において、家族の誰かが感染症にかかることはよくあるので、「①病原体(感染源)の排除」は難しいでしょう。ですから、残りの2つをできるだけ心がけてみてください。

〈②感染経路の遮断〉
まずは、子どもを外出先で、床や壁、手すりやドアノブなどあちこちに触らせないようにしましょう。そして、帰宅時や食事前にはよく手を洗います。汚れたままの手で目や口、鼻などの粘膜を触らないように気をつけましょう。

マスクは鼻まで覆うようにつけます。外側は触らないように、外すときは紐を引っ張って外しましょう。ただし、2歳以下の子どもには、自分で体調不良を訴えるのが難しく、適切に着用することが難しいので、つけないようにします。

室内では適度に加湿し、人が多い場合は定期的に換気をします。
家族に感染者が出たら、少なくとも急性期には、感染者と非感染者は部屋を分けて過ごし、食事やタオルなどの共有をやめます。

感染者の飛沫が付いたものは、洗剤で洗ったりアルコールで拭きますが、排泄物や嘔吐物が付着した場合はアルコールでは消毒できないので、次亜塩素酸ナトリウム液を使いましょう。

〈③宿主の抵抗力の向上〉
新型コロナやインフルエンザなどワクチンのある感染症はワクチンで予防しましょう。

「ワクチンよりかかったほうが抗体がしっかりつく」という人もいますが、重要なのは免疫をつけることではなく、感染症によってつらい症状が出たり、重症化して後遺症が残ったり命を失うのを防ぐことです。

また、普段からバランスよく栄養をとり、休息や睡眠をしっかりとって、抵抗力を高めましょう。

私自身も、小児科で感染症にかかった子どもたちと常に接していますが、新型コロナには現在までかかっておらず、インフルエンザもここ10年は感染していません。
それは、感染対策の基本を徹底しているから。

最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れると自然にできます。家族で基本的な予防方法を身につけましょう。

教えてくれたのは…

森戸やすみさん<
森戸 やすみさん

小児科専門医。一般小児科、NICU(新生児集中治療室)などを経て、どうかん山こどもクリニックを開業。
著書は「小児科医ママが今伝えたいこと!子育てはだいたいで大丈夫」等多数

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