【2021年3-4月号掲載】
「いつかは教えたいけど…」なかなか踏み出しにくい性教育。
長年性教育に携わってきた村瀬幸浩さんとともに『おうち性教育はじめます』をまとめた、漫画家のフクチマミさんに、自身の体験や執筆の経緯、家庭で性教育を行う意義について聞きました。
もくじ
1.絵本も開かないまま5年間。根強かったのは親の抵抗感
2.性教育は幼児期からがベスト。チャンスは日々の生活の中に
3.教えてくれたのは
絵本も開かないまま5年間。根強かったのは親の抵抗感
早いうちから、娘たちにいずれは性教育が必要になると思っていました。
そこで、長女が5歳の頃に性教育についての絵本を買ったのですが、恥ずかしくて開くことすらできず、そのまま本棚で5年間放置。
10歳くらいになると長女の体も変化してきて「いよいよ性教育?」と焦りました。
最初は検索することも抵抗感があったのですが、子どもを守るためと心を奮い立たせ、周りの保護者と一緒に、助産師さんによる親子向けの性教育講座を開きました。肩の荷が下りた気がしましたね。
ところが、講座の後、親子でフランクに性の話ができるかといったら全然できず、ガチガチのドキドキ。
すんなりと受け止めてくれた娘に対して、根強かったのは実は親の抵抗感だったんです。
その理由に気づいたのは、共著者である村瀬さんの講演がきっかけでした。
一つは、親自身もしっかり教えられていなくて、よくわかっていないから。
もう一つは「性教育=ポルノやセックス」との誤解が広がってしまっているから。
本当は、性教育とポルノは全く違うもので、セックスはたくさんある性教育のテーマのうちの1個でしかないのです。
性教育は、「いのち・からだ・健康」の学問。ベースには自然科学があり、人権につながる話なんです。
村瀬さんのお話を聞き、自身が学ぶことで、恥ずかしさや抵抗感はなくなっていきましたね。この体験が著書の下敷きになっています。
性教育は幼児期からがベスト。チャンスは日々の生活の中に
幼児期の子どもに、家庭で教えるのなら、まず「プライベートパーツ」の話。口・胸・性器・おしりの4つは、親であっても他人が勝手に触ったり見ようとしてはいけない部分。こういった話は、家庭の日常の中で伝えていくことができる性教育なんです。
子どもを前に座らせて、「これから大事な話をします」…といった感じではなく、お風呂から出てきて裸のまま走り回っている時などに、「プライベートパーツは大切だから、パンツとシャツで守ろうね」といった風に、生活の中で繰り返し伝えていくことが必要なんですね。
買い物中に「うんち!」「おしりー」などと叫ばれてギョッとした時だって、性教育のチャンスなんですよ。
実は、このプライベートパーツの話の「親であっても、ふざけておしりを触ってはいけない」という部分は、私も衝撃を受けましたし、読者からの反響も一番大きかった箇所。
最初は村瀬さんに「大げさでは?◯歳までは触っていいとかありませんか?」と尋ねてしまったくらいです。
でも、親が「プライベートパーツを触るのも愛情表現」と間違ったメッセージを伝えてしまうと、“スカートめくり”や“カンチョー”をされても「好きだからかな」と拒否できず、さらに深刻ないじめや性被害につながってしまうかもしれない、と村瀬さんの話に深く納得したんです。
性教育は防犯にも役立つ大切な学問。まずは親自身が知って、子どもにも伝えてほしいですね
教えてくれたのは
「家事も子育ても完璧に」というプレッシャーを手放そう
【中野 円佳さん】
「これが好き」と思える幸せ。子どもの「好き」を認めてあげて
【郡司 芽久さん】