2024年9月21日
子どもの病気やケガは、いつも突然やってきます。
それは、子どもは大人のミニチュアではないから。
子どもの体や病気を知って、安心して子育てを楽しもう。
乳幼児検診などで、私が保護者からもっとも多く聞く悩みといえば、「子どもが離乳食やご飯を食べてくれない」「食べものの種類が偏っている」といった、「食べない」ことにまつわる悩みです。
たしかに子どもは成長途上にあるので、ある程度はバランス良く食べる必要があり、それぞれの栄養素が極端に欠乏すると、さまざまな健康や発育上の問題が起こる可能性があります。
ただ、何らかの問題が起こるのは、たとえば摂食障害があるなど、食べられるものが本当に少ない場合です。
よく誤解されるのですが、大切なことは、「好き嫌いなく何でも食べる」ではなく、「バランス良く栄養素を摂る」ことです。
たとえば、主食についてよくされる相談に、「白いご飯は食べるけどパンは全然食べません」といったものがあります。
でも、炭水化物が摂れれば、ご飯でもパンでもいいのです。中には、「ご飯もパンも麺も食べないんです」という子もいますが、よく聞いてみると「ジャガイモは食べます」だったりします。ジャガイモも炭水化物です。米でもイモでもトウモロコシでも何らかの主食を食べていれば、他の主食を食べさせようと特に努力しなくてもいいのです。
タンパク質や野菜でも同じです。
タンパク質は、できれば植物性と動物性の両方が摂れるといいのですが、どちらかだけでも良しとしましょう。
野菜も、食べない野菜があるなら、同じ栄養素を含む別の野菜を食べさせてみてください。ある特定の野菜を無理して食べさせなくてもいいんですよ。
ある決まった献立しか食べない子も多くいますが、1食の中に主食・タンパク質・野菜が含まれていれば、まず大丈夫。
それも難しいようなら「1日3食の中で」、さらに難しければ「1週間を通じて」、主食・タンパク質・野菜が食べられていれば、それで良いと考えましょう。
せっかくの食事の時間を「食べて」「食べない」のバトルの場にしてしまうと、親子双方がつらくなります。楽しく食事をすることも大切です。
世の中には、「こうしたら子どもが苦手なものも食べられるようになる」というアドバイスが溢れています。私も相談されれば、いろんなアドバイスをします。
「同じくらいの年齢の子が食べているのを見たら食べるかも」
「一口食べたことを大げさに褒めると、その次も食べられるかも」
「お腹がすけばそのうち食べるのでは」
……。中にはどれかのアドバイスを試してうまくいく子もいますが、全部試しても、食べない子は食べません。
そもそも「食べない」に悩む保護者は、考えつく限りの方法は既に試していて、それでもうまくいかなかったから相談しているのです。保護者の努力が足りないわけではありません。むしろ周囲の善意のアドバイスが、保護者を傷つけてしまうことすらあるのです。
子どもが食べないと、心配になりますね。私の娘も、保育園に入るまで全然食べませんでした。その気持ちはよくわかります。
でも、明らかに体調に問題があるわけではなく、少しずつでも成長しているなら大丈夫。成長とともに食べられる食材もメニューも増えていくので、長い目で見守りましょう。

小児科専門医。一般小児科、NICU(新生児集中治療室)などを経て、どうかん山こどもクリニックを開業。
著書は「小児科医ママが今伝えたいこと!子育てはだいたいで大丈夫」等多数
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