人見知りだった自分、スラックラインで変わった【きかせて、子そだて/岡田 亜佑美さん】

2023年1月19日

【2023年1-2月号掲載】


幅5cmのラインの上で、歩いたり跳ねたりポーズを取ったりなどの技を行うスポーツ「スラックライン」。
最近はテレビなどで目にする機会も増えてきました。

2009年の日本上陸後間もない頃からスラックラインを始め、プロライダーとして活躍してきた岡田亜佑美さんにお話を聞きました。

もくじ

  1. 偶然参加した体験会が出会いたった3人で公園で練習
  2. 男子の見たことのない技に「自分もやりたい!」
  3. 興味を持ったことはとにかくやってみよう
  4. 教えてくれたのは…

偶然参加した体験会が出会いたった3人で公園で練習

スラックラインとの出会いは、小学4年生のときでした。近くの道の駅で体験会があったのですが、それが目的で行ったわけではなく、通りすがりに見つけて、参加はまったくの偶然。

しかも、自分から「やりたい」と言ったわけではなく、「やってみなよ」と同行の伯母に勧められて、半ば嫌々参加したんです。体験の感想は、「難しそうだったけど、思ったよりもできたな」。

その体験会で講師をしていたのが、私の1歳年上の女の子のお母さんで、「上手だから、一緒にやらない?」と声をかけられました。

それまでスポーツ経験は一切なく、「バスケがやってみたいかも」と見学は行ったけど、「そこまでじゃないかな」と結局入会には至らず。でも、スラックラインに誘われて、「楽しそうだからやってみたい、連れていって」と初めて自分から母に頼んだんです。

当時は、スラックラインが日本に入ってきて、まだ2年ほど。今でこそ全国にスクールや体験会が広がったり、テレビで取り上げられる機会も増えてきていますが、その頃は競技人口も少なく、スラックラインを知っている人はわずか。

スクールもなく、講師とその娘さん、私の3人で、公園にラインを張って練習していましたね。

男子の見たことのない技に「自分もやりたい!」

スラックラインを始めて半年後、初めての大きな大会に出ました。当時はまだ、ジュニアクラスの女子は私たち2人だけ。

でも、男子にはもっと上手な子たちがいて、飛んだり回ったり、見たこともないような技を決めていたんです。「こんなすごいことができるんだ、自分たちもできるようになりたい!」そこから心に火がつきました。

土日は朝から晩まで1日中練習、中学生になっても部活には入らず、スラックライン一筋。 中学1年生でプロライダーのオファーをもらったときは、ずっとプロを目標にしていたので、うれしかったですね。

高校生になると、「スラックラインを教えてみては」と声をかけてもらい、自分のスクールを開くことになりました。 結婚、出産を経た今は、練習場所の確保が課題ですが、また大会に出たいと思っています。

興味を持ったことはとにかくやってみよう

もともとは引っ込み思案な性格で、新しいことに自分からチャレンジするタイプではなかったんです。人見知りで、いつも母の後ろにくっついているような。

でも、スラックラインを始めてから変わりましたね。イベントでは、全国各地やドイツやアメリカなど海外へ行くこともあり、そんなとき親は「行っておいで」と一人で行かせてくれました。高校生とはいえ、親も心配だったはずですが、送り出してくれたことに感謝しています。

おかげで、いろんな年代の人と関わってコミュニケーションを取る経験を積み、積極性が育まれたと思います。 息子は今2歳。本人がやりたいなら、ぜひスラックラインを教えたいと思います。今のところ、簡易的なラックにはすごく乗りたがるので興味はあるようです(笑)。

スラックラインは、1歳でも、歩ければ始められるスポーツ。「体幹が鍛えられる」と、サッカーやスキージャンプなどの練習にも取り入れられているそうですし、大人からでも、運動神経には関係なく楽しめますよ。 特に子どもたちには、「興味を持ったことは、とにかくやってみる」ことを勧めたいですね。

私も体験会に偶然出会って、スラックラインの道に進みました。ぜひ好きなものを見つけてくださいね。

今回お話を伺ったのは

岡田 亜佑美さん
岡田 亜佑美さん

プロスラックラインライダー。2011年に小学4年生でスラックラインを始め、中学1年生でプロライダーに。高校生だった2016年に、日本ランキング1位。世界各地で開催され、最も歴史があるスラックラインの最高峰の大会「GIBBON CUP」において、2017年シーズンチャンピオンなど数々のタイトルを獲得。現在22歳、2歳の男の子のママ。栃木県宇都宮市のスポーツ施設「日環アリーナ栃木」にて、小学生~大人を対象としたスラックラインスクールを開講中。

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