「パパの育休」をあきらめる前に!今、現実的にメリットと取得方法を考える【わが家の働き方改革】

2020年5月27日

【2019年10月号】
今までの仕事と家庭の関係を見直して、 これからの「共働き」を考えよう。

 
もくじ

1.パパが育休を取るとどんな効果がある?
2.育休取得に乗り気ではない夫その気にさせるには?
3.夫が育休を取るに当たり、おすすめの取り方は?
4.今回のPoint
5.教えてくれたのは…

パパが育休を取るとどんな効果がある?


男性の育休義務化が話題を呼んでいますが、統計では、男性の育休取得率は6%台と低迷。「うちは無理」とあきらめているパパ・ママも多いのでは?今回は、パパの育休でどんな効果があるか、いつ・どんな時に取得するのがいいか?具体的に考えてみましょう。

パパが育休を取得する一番のメリットは、「子ども」というまったく意思疎通ができない存在と関わることで、「何も意思が通じない・思い通りにならない」状況を経験すること。この大変さがわからなければ、ワンオペ育児をする妻の状況も理解できません。夫婦が感覚を共有することで、その後家事育児の主体が妻になったとしても、お互い助け合っていけるでしょう。

「まったく通じない」経験は、仕事にも大いに役立ちます。実は職場でも自分の意思が相手に100%伝わっているわけではありません。他人同士、意思疎通ができないこともあると理解できれば、「どうすれば伝わるか?」からスタートできます。コミュニケーションスキルが上がり、仕事のクオリティも上がりますよ。

 

育休取得に乗り気ではない夫その気にさせるには?


まずは、出産後の生活を夫婦でシミュレーション。それも楽観するのではなく、できるだけヘビーな状況を想定することです。

たとえば年子で第2子が生まれる場合、出産後は第1子と第2子を同時に世話することになります。第1子が赤ちゃん返りするなど、第1子への精神的なケアが必要になる可能性も。そのうえ第2子が「背中スイッチ(寝かせると泣く)」があるタイプだったら――?

夫婦で出産後の生活をイメージすることで、育休取得を現実的に考えられるようになります。もし育休を取らない場合でも「パパが夕食時に帰宅し、朝晩の育児家事を担当する」など対策できますよ。

妻が望んでいても、夫が取得に乗り気でない場合は「いつなら取得できる?」「どうすれば取得できるかな?」と、取得する前提で話すことが大事です。「できない」前提で話すと、話は進みません。
子育てには苦労もありますが、ともに子育てしたという経験が夫婦や家族のきずなを格段に高めます。前向きな姿勢で話せるといいですね。

夫が育休を取るに当たり、おすすめの取り方は?


育休には、男性の育休促進のための特例制度があります。「パパ休暇(出産後8週間以内にパパが育休取得した場合、パパは再度取得できる)」と「パパ・ママ育休プラス(父母ともに育休を取得する場合、1歳までのところを1歳2カ月まで取得可能)」です。これらを組み合わせて取得するといいでしょう。

たとえば、出産後8週間以内に取得し、間隔を空けて2回目を取得する方法があります。1回目は出産直後、妻の体力回復をサポートするために取得し、2回目は、妻の職場復帰の時期に取得し、「子どもが発熱」などで呼び出されても妻は仕事ができる状態をつくると、復帰もスムーズに進みます。

育休を取得すると決まったら、一定期間職場を離れても大丈夫なように、自分の仕事の棚卸をして引継ぎ資料をつくるなど、準備も忘れずに。
育休中は育児に専念できるよう、環境を整えておきましょう。
 

今回のPoint

教えてくれたのは…

堀江 咲智子 さん 


株式会社ワーク・ライフバランス コンサルタント。
株式会社ノーリツにて商品企画・開発・販売を経験。
女性活躍推進プロジェクトも務め、プロジェクトにやりがいを感じたことから
2012年より現職。5歳の男の子のママ。

 

 

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