数千円で助かる命がある。ライフジャケットで防ぐ水難事故【キケンからコドモをまもルール】

2026年7月25日

水難事故の救助に向かった夫を亡くし、シングルで2児の子育てをしながら、子どもの事故予防の研究・啓発と講演会やニュース解説により情報を発信する岡真裕美さんによるコラム。

【2026年7-8月号掲載】

数千円で助かる命がある。ライフジャケットで防ぐ水難事故



水遊びの季節がやってきました。でも残念ながら近年は猛暑の影響で、園や学校でもプール活動や水遊びができる日が減っています。
そんな中、お子さまを水辺に連れて行って楽しく遊んで水に親しんでほしいと思うパパママも多いと思います。素敵なことですが、水遊びには命に関わる危険も潜んでいることも知ってほしいと思います。

令和7年の警察庁の発表によると、中学生以下の子どもが水難で死亡・行方不明になった場所は河川が最も多く、次いで海、用水路でした。

「持ち物が川に落ちたので追いかけた」「河川敷で遊んでいるうちに、向こう岸まで行ってみたくなった」というふうに、水に入るつもりはなかったのに偶然が重なり水難事故になることもあります。
「大人が近くにいれば大丈夫」とも限りません。大人が会話に夢中になって子どもだけで行動している、見守り役がスマホを触っていて子どもを見ていない、というシーン、水辺に限らずよく目にしませんか?
人は一瞬で溺れます。大事なのはその一瞬に気づいて助けられる「見守りの質」。分かっていてもかなり難しいので私はライフジャケットの着用をおすすめします。

ベテラン消防職員さんでも「過去に出動した経験では、火事よりも水難の方が助からないことが多い。現場に行くとすでに水中に沈んでいる。水難で助かっている人の多くは、浮いていられたか、何か浮く物を持っていたかだ」と言います。

子どもはすぐに大きくなるし…年に数回しか使わないし…保管する時かさばるし…と、ライフジャケットをためらう理由もよく分かります!

でも、数千円で命が助かるならいいじゃないですか。レンタルできるところも増えていますので、ぜひライフジャケットを使ってください。

お話を伺ったのは…

岡 真裕美さん
岡 真裕美さん

大阪大学大学院人間科学研究科特任研究員。2012年、ジョギング中に子どもの水難に遭遇し救助に入った夫が、その際に死亡。事故現場における安全対策を行政に訴えるも、大きな改善につながらず無力さを思い知らされ、シングルで2児の子育てをしながら、大阪大学大学院人間科学研究科に進学。子どもの事故予防の研究・啓発と情報発信を精力的に展開。子育て経験を活かした講演や子どもの事故に関するニュース解説も行う。

子どもを全力で守る本
子どもを全力で守る本

『子どもを全力で守る本』中井宏・岡真裕美 編著、いそっぷ社。

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