みんなどうしてる?
子育てにかかるお金
子育てには学習費や養育費など、どうしても多額なお金がかかりますよね。クルールママたちにお金について知りたいことについてアンケート調査を実施しました。
ママ友にはちょっと聞きにくいお金のアレコレを、ほけんスマイル安藤興一さんが答えてくれました。お金の情報を知って賢くやりくりしましょう。
もくじ
1.大学までにかかる「学費」と「養育費」
2.今だけ特別スネかじり!教育資金の一括贈与
3.4つの貯め方①学資保険
4.4つの貯め方②先取り貯蓄
5.4つの貯め方③口座貯蓄
6.4つの貯め方④積立NISA
7.ママたちの「困った」にお答えします
8.教えてくれたのは
大学までにかかる「学費」と「養育費」
子どもの将来の選択肢を広げてあげたい、夢のサポートをしたいと思うのは親心。文部科学省が実施した「令和3年度学校基本調査」によると、4年生大学と短期大学を合わせた進学率は58.9%、専門学校へは24%と過去最高です。
多くの人が高校卒業後も進学する時代になっていますが、小学校から大学までの学習費は国立で約720万円、オール私立なら約2060万円と高額です。
しかも教育資金だけでなく、子育てには食費、衣類、生活用品、おこづかい、成長すれば携帯料金など、さまざまな養育費が約1960万円もかかってきます。
養育費は日々の生活費から捻出していますが、進学に必要な費用はお金がかからない幼い年齢から計画的に貯めていきたいものです。子ども一人当たりにかかる教育資金と養育費を詳しく紹介します。
小学校から大学までの「学習費」の総額は?
学費(学習費)=学校教育費★1+学校給食費+学校外活動費(塾やレッスン代)
★1 授業料、学級・児童会・生徒会費、修学旅行・遠足・見学費、制服、通学用品費など
- 小学校
- 総額 192万7,686円
▷学校外活動費
128万6,706円
(総額に含む)
- 中学校
- 総額 146万5,191円
▷学校外活動費
91万9,473円
(総額に含む)
- 高等学校(全日)
- 総額 137万2,140円
▷学校外活動費
53万679円
(総額に含む)
- 大学
- 公立
総額 254万8,150円
国立
総額 242万5,200円
- 総計
- 公立
731万3,167円
国立
719万217円
※国立小学校~高等学校(全日)の教育費に関する調査データがないため総額は公立を当てはめています
- 小学校
- 総額 959万2,146円
▷学校外活動費
388万1,334円
(総額に含む)
- 中学校
- 総額 421万9,299円
▷学校外活動費
99万3,792円
(総額に含む)
- 高等学校(全日)
- 総額 290万9,733円
▷学校外活動費
75万2,580円
(総額に含む)
- 大学
- 386万6,569円
- 総計
- 2,058万7,747円
※データは在学中の総額と総額に含まれる学校外活動費
出典:文部科学省「子供の学習費調査」、文部科学省「国立私立大学の授業料の推移」
誕生から大学卒業までの 「養育費★2 」はいくらかかる?
★2 食費、衣類、生活用品、おこづかい、携帯料金など
- 未就園児
- 244万8,423円
- 保育所・幼稚園児
- 342万7,752円
- 小学生
- 508万3,350円
- 中学生
- 292万6,695円
- 高校生
- 292万6,695円
- 大学生
- 281万8,800円
- 総計
- 1,963万1,715円
※養育費は総額です
※未就園児は0〜2歳児
※高校生のデータがないため、中学生の数字を当てはめています
出典:内閣府政策統括官「インターネットによる子育て費用に関する報告書」 独立行政法人 日本学生支援機構「平成30年度学生生活調査」
給付型奨学金は返済不要
給付型奨学金は経済的な理由で進学をあきらめないように、世帯収入の基準を満たしていれば、成績だけでは判断せずしっかりとした「学ぶ意欲」があれば支援を受け取ることができます。
大学、専門学校等の授業料と入学金が免除・減額と給付型奨学金の支給があります。詳細は日本学生支援機構のサイトをチェックしてみてください。
授業料が実質無料「高校無償化制度」
家庭の経済的負担を軽くする「高校無償化制度」と呼ばれる制度があります。公立高校だけでなく、私立高校、高等専門学校などに通う生徒も世帯の所得制限の条件を満たせば国から支援金を受け取れます。
また、兵庫県独自の補助により低所得者に重点化した授業料軽減のための助成もあります。どちらも学校を通じての補助となります。
今だけ特別スネかじり!教育資金の一括贈与
令和5年3月31日までの特別措置。30歳未満の人が父母や祖父母から「教育資金」を名目に贈与してもらう「教育資金贈与信託」と呼ばれる制度です。
メリット
一括で贈与を受けた場合、1,500万円まで贈与税が非課税となります。
デメリット
子どもや孫が30歳になるまでに、その口座の預金を教育資金として使い切らなければ、残金に贈与税がかかります。
みーほのママ*有難いことに実母から贈与してもらい、娘の学資保険に使いました。(9歳と3歳の女の子のママ・明石市在住)
安藤さん*通常は年間110万円以上贈与すると課税されるので、もし一括贈与してもらえる環境であるならこの機会を活かして利用したいですね。
4つの貯め方①学資保険
子どもの教育資金を準備するための貯蓄型保険。
メリット
万が一契約者である親が死亡や高度障害状態となった場合は、以降の保険料の払い込みが免除されます。
デメリット
満期をあらかじめ定めておくので、中途解約した場合は元本割れのリスクがあります。
Hirokoママ*学資保険だけで大学費用が足りるのか心配です。(3歳の男の子のママ・明石市在住)
安藤さん*上記で紹介した大学費用以外に、自宅外通学になった場合は毎月8〜9万円の仕送りも必要になります。学資保険の受取額と比較してみましょう。
4つの貯め方②先取り貯蓄
定期預金やドル建て保険(預金)、勤め先の財形貯蓄など、毎月一定額を自動引き落としで積み立てます。
メリット
先取りなので確実に貯蓄ができます。財形貯蓄はママの場合、出産や育児休暇で収入が途絶えるときは休止することができます。
デメリット
定期預金やドル建て預金は銀行で設定すると一部手数料がかかります。財形貯蓄はそもそも勤め先が導入していないと利用できません。
Ayanaママ*円で貯蓄するよりお得な印象のあるドル建て保険をしています。(1歳と0歳の女の子のママ・西脇市在住)
安藤さん*ドル建て保険は、現在およそ2%以上で運用されているので円建てよりお得感があります。しかし為替の動向をチェックすることが必須です。気になる方はご相談ください。
4つの貯め方③口座貯蓄
すぐに始められます。児童手当を子ども名義で貯蓄 しておくのも手です。中学卒業時には200万円になります。
メリット
家計の状況に応じて柔軟に入出金ができ、急な出費があっても対応できます。
デメリット
計画性がないと使ってしまう恐れがあります。普通預金では利息がほとんどつかないためインフレに対応できません。
Hisayoママ *中学受験をしたので口座貯蓄が入学金などの初期費用に役立ちました。(13歳と11歳の男の子、4歳の女の子のママ・たつの市在住)
安藤さん*Hisayoママは口座貯蓄以外にも定期預金もされているので良好な貯蓄法ですね。口座貯蓄の場合はすぐに出金できず計画的に貯められる貯蓄法もプラスしましょう。
4つの貯め方④積立NISA
毎月口座から設定額が引き落とされ、あらかじめ 選んでおいた金融商品を買い付ける積立投資です。
メリット
通常、投資で得た利益には税金がかかりますが、積立NISAなら最長20年間、運用益・分配金が非課税になります。
デメリット
損益通算、繰越控除ができません。投資なのでリスクが発生することがあります。
Anriママ*積立NISAとジュニアNISAをしています。(3歳と0歳の女の子のママ・姫路市在住)
安藤さん*積立NISAは1年ごとの更新なので出費が予想される年は休むことができたり、逆に入金が予想される年は一般NISA(年間上限120万円)に切り替えることもできます。ジュニアNISAは令和5年に廃止になります。
ママたちの「困った」にお答えします
Yukoママ*教育資金と老後資金を同じ口座で貯蓄している のですが、項目別に分けた方がいいですか?(5歳の女の子のママ・明石市在住)
「短期」「中期」「長期」の項目分けをおススメします。「短期」は生活費や冠婚葬祭費用など流動的なもの。「中期」は進学費用や自動車の購入費、旅行費、住宅リフォーム代金など使用用途がある程度決まっているもの。「長期」は老後費用や介護費用などのしばらく手を付けないお金です。
ちなみにクルールママから「iDeCo(イデコ)」とはどういったものですかという質問が複数ありました。「自分がお金を出して、自分で運用し、老後資産を形成していく」長期の項目になるものです。加入は任意で、60歳以降に老齢給付金を受け取ることができます。税制の優遇措置があるので検討されているなら早めに始めると良いでしょう。
Ayumiママ *子どもが4人います。成長するにつれてかかる 塾代など、先が見えない不安があります。(15歳と14歳と6歳の女の子、11歳の男の子のママ・三木市在住)
塾や習い事の費用は決して少額ではありません。いろいろな経験をさせてあげたいと思う気持ちはわかりますが、FP(ファイナンシャルプランナー)に相談いただき各家庭ごとのライフシミュレーションをすることが肝心です。
もし子どもの将来に影響が考えられる学費を滞納する恐れがあるなどの場合は、幼児教育・保育の無償化、就学援助制度、高等学校等就学支援金制度、奨学金制度、教育ローン等など、学費の負担を軽減する公的な制度から民間の商品もありますので検討してみましょう。
Yumikoママ*貯蓄にお金を回せるように節約法を教えてください。(5歳の男の子と2歳の女の子のママ・播磨町在住)
購入するときに、これは「浪費(無駄)」か「消費(必要)」かということを考える習慣をつけましょう。ドリンクをコンビニエンスストアで買うのが日課なら、マイボトルで持参すると節約にもエコにもなります。お金が貯まる人はこうした日々の些細な節約を心がけている人が多いです。
動画や音楽配信サービスなどの「サブスクリプション」も注意が必要です。アプリを使って毎月どれぐらいお金を使っているのか「お金の見える化」をしてみましょう。本当に必要なサービスか見直すことが節約につながります。
教えてくれたのは
ほけんスマイル アスピア明石 南館3F
ファイナンシャルプランナー
安藤 興一 さん
お金は知識の有無で貯蓄額に差が出ます。ご家庭ごとに違う収入や出費に合わせたライフプランニングの相談を無料で承っています。お気軽にご相談ください。